大将(たいしょう)
将官駒。勝てる駒は18枚。引き分け3枚。
スパイに負けるが他の駒に勝つ。
どんな駒にも負けてしまうスパイに唯一敗北する駒。
スパイがいなければ、動いた駒ならば怖いものはない。
序盤~終盤どこで使っても活躍するが、早めに使うと
中将を仕留められない可能性が高くなるのが難しいところ。
将棋と違って大将(王)が取られても負ける事はないので、
肉を切らせて骨を断つという使い方も可能である。
初心者から腕を上げるにしたがってこの駒ほど使い方の概念が
変わるものはないだろう。
中将(ちゅうじょう)
将官駒。勝てる駒は18枚。引き分け3枚。
大将に負け、他の駒に勝つ。
駒を倒せる数は大将と同じ。
スパイ駒はいつ倒したか判別が難しい分、
大将よりも使いやすい駒。
少将(しょうしょう)
将官駒。勝てる駒は17枚。引き分け3枚。大将・中将に負け、
他の駒に勝つ。
将官としては一番下だが、それでもヒコーキやタンクを倒すことが
でき、戦闘の序盤や終盤に活躍する。
使い方によってはオールラウンドに戦うことができるだろう。
総司令部を占領することが可能だが、地雷を踏むことによって
死んでしまうので注意が必要である。
大佐(たいさ)
将官駒・ヒコーキ・タンクに負け、他に勝つ。地雷を踏むと負ける。
佐官の一番上だが、将官駒と比べると、ヒコーキやタンクという
枚数の多い駒に敗北するので、圧倒的に価値が落ちる。
しかし、それでも尉官駒に勝ち、総司令部を占領できるので、
全部の駒の中でも価値は高いといえるだろう。
中佐(ちゅうさ)
佐官駒。勝てる駒は11枚。引き分け3枚。
将官・ヒコーキ・タンク・大佐に負け、他の駒に勝つ。
地雷に負けるが、総司令部を占領することが可能。
駒的には大佐と変わることが無い。
大佐よりも大佐に負ける分、勝ち駒は一つへ減る。
しかしながら、尉官駒に勝ち、総司令部を占領できるので、
全部の駒の中でも価値は高いといえるだろう。
少佐(しょうさ)
勝てる駒は10枚。引き分け3枚。
将官・ヒコーキ・タンク・大佐・中佐に負け、他の駒に勝つ。
地雷に負けるが、総司令部を占領することが可能。
佐官駒だが、佐官の一番下。負ける駒数も9枚と、勝てる駒とほぼ同数。
総司令部を占領できる分、尉官駒よりも価値が高く、
他の有能駒よりも価値が低いので、倒すことも倒されることも無く、
戦闘が終わるケースも少なくない。活躍の場が少ないことは事実だが、
尉官駒をよく使う人と対峙した際には有効か。
ちなみにお互い死力を尽くした相殺戦の果てにこの駒が残っていると地獄に仏である。
大尉(たいい・だいい)
尉官駒。勝てる駒は8枚。引き分け4枚。
将官・佐官・ヒコーキ・タンクに負け、
他の尉官駒、騎兵、工兵、スパイに勝つ。
地雷に負ける。
尉官駒の一番上だが、負ける駒は地雷を除いて10枚。
良くも悪くも中途半端な駒ではあるが、
負けたところで、こちらの陣営として大きな損害ではないので、
序盤の様子見などに使われることが多い。
地雷を踏んでしまって負けたところで、将官駒が敗北するよりも
損害は軽微なので、突撃隊長として活躍の場を与えるのが妥当か。
中尉(ちゅうい)
尉官駒。勝てる駒は6枚。引き分け4枚。
将官・佐官・ヒコーキ・タンクそして大尉に負け、少尉、騎兵、工兵、スパイに勝つ。地雷に負ける。
非常に使いどころが難しい駒。
勝てる駒は、スパイ、騎兵、工兵、少尉の四種類、駒数では六枚である。
騎兵や工兵の方が、相手の駒を限定しやすく、軽快な動きもできるため、
それらの駒と比べて、使い勝手が悪いといえる。
しかし、やられた所で痛くも痒くもないし、相手も倒した駒が限定しにくく、相手が倒した後にとる行動によって
相手の駒の尊重度や、大きな視点での戦略に検討がつくかもしれない。
相手が少尉で、こちらが中尉であった場合には、倒した駒を逆に迷う可能性もでてくるが、
状況によって理解できる範囲内だろう。
地雷を踏ませるのも手である。
少尉(しょうい)
尉官駒。勝てる駒は4枚。引き分け4枚。
将官・佐官・ヒコーキ・タンク・大尉そして中尉に負け、
騎兵、工兵、スパイに勝つ。
地雷に負ける。
非常に使いどころが難しい駒だが、それでも、相手の駒に勝った場合には、
相手の駒がかなり限定されるため、ここぞというときに、役にたつ可能性を秘める。
勝てる駒は、スパイ、騎兵、工兵と三種類、駒数では4枚。
騎兵や工兵の方が、相手の駒を限定しやすく、軽快な動きもできるため、
それらの駒と比べて、使い勝手が悪いといえる。
しかし、やられた所で痛くも痒くもないし、相手も倒した駒が限定しにくく、
(相手の駒が大尉などなら限定されるが)、相手が倒したあとにとる行動によって
相手の駒の尊重度や、大きな視点での戦略に検討がつくかもしれない。
ヒコーキ(ひこーき)
将官に負け、他の駒と、地雷に勝つ。
唯一、突入口以外のところからでも敵陣に進出(または自陣に撤退)することができ、
敵や味方の駒の影響を受けることなく、縦ならば、好きなところまで飛ぶことが出来る。
ただし、横は1マスだけの移動となっている。
地雷にも勝つことが出来るため、将官に次ぐ非常に強い駒。
勝つ駒は17枚。引分けを含むと19枚。これは将官に匹敵するほどの強さであり、
縦移動の軽快さを含めると、まさに攻守の要と言える駒となっている。
序盤から終盤まで生きてさえいれば活躍し、
負けたときには将官の位置がわかるという優れた駒であるがゆえに、
負けてしまった時の痛手は計り知れないものとなる。
あえて空を飛ばさずに活躍させるのも作戦だが、
相手の技量をみて使用しないと、使い勝手が悪い割に活躍させられないまま終わる可能性もある。
ヒコーキはそのヒコーキの利点を活かした作戦が、非常に重要であると考える。
タンク(たんく)
将官とヒコーキに負ける。地雷を踏むと負ける。
通信軍人将棋では、工兵にも負ける。
それでも勝てる駒は11枚。引分けを含むと15枚。
勝率は悪くなく、前に二歩進むことが出来る軽快さを併せ持つ。
タンクが負けたとき、その相手の駒は重要駒で、
まず、将官かヒコーキだろう。工兵もタンクに勝つことが出来るので
安易な決め付けは、その後の戦況に大きな痛手を与えるので注意が必要だ。
序盤で使うか、終盤まで温存し、将官駒や、ヒコーキが
少なくなった時に使うかは、好みの分かれるところだろう。
将官駒やヒコーキがいなくなった時には、その影響力は凄まじく、
司令部を占領できる駒を一掃できるほどである。
騎兵(きへい)
前に二歩進むことが出来る特殊駒。しかし、その強そうな名前とは裏腹に、
勝てる駒は工兵とスパイの二種類。駒数では三枚だけで、地雷を踏むと負ける。
前に二歩進むという利点を活用しづらい駒ではあるが、タンクに擬装することが出来る。
しかし、相手もその程度は知識として持っているので、擬装が功を奏すとは思えない。
工兵が飛んできて倒すことができたら儲けものだろう。
なんといってもこの駒の醍醐味はスパイを倒すことにある。
得てして序盤でタンクが倒されるため、お互い大将を倒すために、スパイを倒されない位置で
待機させたり、隙を見て攻め込みたいが、倒されるのを嫌い、隣接しないように進むのであるが、
スパイと思われる駒が、二歩前に出たときが、まさにこの駒の全人生を賭けた戦いといえるだろう。
倒すことが出来ればまずスパイ。倒されたところで痛くも痒くもない。
倒された側は、かなりの衝撃を受けるだろう。
第二のスパイともいえる軍人将棋の裏の主役なのだ。
工兵(こうへい)
工兵とは陸軍の技術職種の総称。
軍人将棋における最大の難関である地雷を撤去することができる。
通信軍人将棋ではそれに加え、タンクをも屠ることが可能である。
しかし、こと地雷以外に関しては最弱で、スパイに勝利するのみ。
勝てる駒はタンク、地雷、スパイと三種類だが、五枚の駒を倒すことが出来る。
動きも軽快で、縦または横に一度で何マスも進むことが出来るのだ。
当然、その間には、相手の駒や、味方の駒、突入口以外の場所があったら、それ以上はすすめない。
地雷撤去はヒコーキの独壇場であり、
工兵は奥に仕舞われるか(当然他の駒を前線に出したほうがましだから)、
捨て駒として扱われるかのどちらかであったが、
タンクに勝てることによって序盤の花形になる可能性を占めるようになった。
それによって、中盤以降の地雷の撤去が難しくなる。
24駒以上の軍人将棋では、駒の枚数に対してヒコーキと将官の数のバランスが難しく、
ヒコーキを残しておけば、それでだけで勝利に直結し、将官とヒコーキの速攻が防ぎにくい。
工兵がタンクに勝てることによって、工兵の幅が広がり、
(対してタンクは活躍度が減ったが)
それはそれで、軍人将棋の醍醐味である、「読み」の部分がより深くなるだろうと思う。
スパイ(すぱい)
軍人将棋において、一番弱い駒ではあるが、唯一、大将を倒すことの出来る駒である。
相手の大将が地雷を踏んで死んでしまった場合には、活躍の場が無くなってしまう駒。
しかし、この駒が生きているという、その存在だけで、大将の動きを心理的に制限することが出来る。
将官の3枚の駒がわかっても、大将がどの駒か確定させることは容易でなく、
中将を倒されて、大将の位置がわかるようでは、損害が大きすぎる。
また、大将の位置がわかったとしても、近づくことが難しく、活躍させることが非常に難しい駒といえる。
しかし、この駒の面白さは、そのようなデメリットに関係なく、非常に楽しく、興奮するものだ。
目標が大将ではなくて、倒されてとしても、たいしたことは無く、
もし、倒すことが出来たら、それだけで相手は戦意を喪失し、
こちらの作戦展開が、楽になるといえるだろう。
しかし、稚拙な使い方をして、やられてしまうのが相手に探られてしまうと、駒的にはたいした事は無いが、
大将を撃退する駒が、こちらの大将と、地雷に頼らなければならないので、
大将駒が振り回される恐れがあり、そのことによって、大将の位置がばれる可能性もある。
軍人将棋は駒の探りあいと、動きによる相手駒の予想が重要である。
その点からいくと、この駒を扱うことは、軍人将棋の本質を動かしているのと同じである。
地雷(ぢらい)
どんな駒でも倒せる特殊駒。ただし、ヒコーキ、工兵に負ける。
大将や中将といった将官駒も、少尉や騎兵といった比較的弱い駒もすべて倒すことが出来る。
しかし、勝つことには勝っても、爆発したとみなし、地雷も盤上から取り除かれる。
そしてなにより、この駒は動くことが出来ない。
動くことが出来ないため、突入口に配置することが禁止されている。
通信軍人将棋では、司令部に配置することが可能になっているので、
最後の最後にどんでん返しが待っている可能性を秘め、
大将の猪突猛進で速攻を懸かけることを難しくしている。
しかし、司令部マスに移動することが出来なくなるため、
陣形の変更などの際には、それがネックになる可能性がある。
そのあたりは個人の好みの分かれるところだろう。
審判が人間の、実際の軍人将棋では、
審判がエキサイトして、「どか~ん!」などといって、取り除くと、
やっている当事者にばれてしまう事もある。
審判は、実際にやる時に、エキサイトしないようにしよう。
審判までがフェイクをしだすと、
何がなんだか訳がわからなくなるので黙々とやるのが礼儀か。
その割には騒いでいた気がするが。
軍旗(ぐんき)
特殊駒のうちでも、もっとも特殊で、
軍旗の後ろ(自分の司令部側)にいる駒と同等の強さを有するようになる。
しかし、後ろ側が敵の駒であった場合にはこの限りではない。そしてこの駒は動けない。
軍旗の後ろが、大将であった場合、軍旗も大将と同じ強さになる。
その状況において、敵の中将が、軍旗に攻め込んだ場合には、中将が負け、
スパイが攻め込んだ場合には、軍旗が負ける。
なにも後ろにいなかったときは、空白マスを通っているのと同様に、どんな駒にも負ける。
地雷と同じく、動けないため、突入口に配置することが出来ない。
最下段に置くことが可能なルールだが、無意味な配置であるため、お薦めは出来ない。
通常の戦闘では、軍旗とは部隊の精神のよりどころであって、
戦争物に詳しく、軍人将棋を知らない人は、司令部を守らず、
大将や、軍旗を守る人が少なくないので、
そういう事態に出会った場合は教えてあげよう。